アルツハイマー病の発症 原因物質の1つを確認 佐賀女短大の長谷川教授ら
【佐賀】 佐賀女子短期大学(佐賀市本庄町)の長谷川亨教授(公衆衛生)らの研究グループは十六日、アルツハイマー病発症の原因物質の一つとしてアミノ酸の一種のホモシステインの酸化物「ホモシステイン酸」が関与していることを世界で初めて確認したと発表した。長谷川教授は「この研究で、アルツハイマー病の効果的な治療法の開発が期待できる」としている。
神経細胞が死に脳が委縮するアルツハイマー病は、タンパクの一種のアミロイドが蓄積して起こるとされており、患者は「ベータアミロイド42」と呼ばれるアミロイドの値が高いことが判明している。しかし、アミロイドの蓄積のメカニズムははっきりと分かっていなかった。
別の危険因子としてホモシステインというアミノ酸が知られており、長谷川教授が佐賀の嬉野茶とアルツハイマー病との関連を調べた結果、お茶をよく飲む人はホモシステインの濃度が低く、脳の機能も高いことが分かった。
長谷川教授はホモシステインが老化のストレスを受けて生成される「ホモシステイン酸」に着目。研究の結果、この酸は毒性が強く、アミロイドを神経細胞内に取り込んで細胞死を招き、記憶の混乱を引き起こすことが明らかになった。
ホモシステイン酸の毒性を弱める薬品はドイツの製薬会社がすでに開発。米国などで治療効果が注目されており、長谷川教授らの研究はこれを証明した。福岡大の山田達夫教授(神経内科)は「治療薬の選択性を広げる一助になる」と話している。
(西日本新聞) - 5月17日2時12分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050517-00000005-nnp-l41
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