スギヒラタケ、毒性ない動物実験結果も…研究班初会合
野生のキノコ「スギヒラタケ」を食べた人の間に相次いだ急性脳症の原因究明のため、厚生労働省が設置した「急性脳症の多発事例研究班」の初会合が29日開かれ、動物実験が2件報告された。
実験方法は異なるが、脳症患者の発生地域で採れたキノコは毒性があったが、患者報告がない地域で採れたキノコは毒性が認められないという結果が出ており、原因物質を特定する上で注目される。
静岡大の河岸洋和教授(天然物化学)は、脳症患者が相次いだ地域から入手したスギヒラタケをすりつぶして水に溶かし、煮沸してエキスを抽出、濾過(ろか)してマウスに与えたところ、マウス3匹はすべて死亡した。濾過前のエキスを与えても、6匹中5匹が死亡した。
一方、高崎健康福祉大の江口文陽教授(健康栄養学科)は、群馬県や長野県などから採取したスギヒラタケからエキスを抽出し、健康なマウスに投与したが、変化はなかった。また、腎機能を低下させたラットにエキスを投与したり、キノコそのものを食べさせたが、発症しなかった。群馬、長野両県は、これまで患者の発生が報告されていない。
江口教授は「成育条件でキノコの成分が変化し、毒性の有無につながっている可能性がある」と指摘している。研究班では今後、患者の特徴をさらに調べるとともに、食品分析などの手法で、原因の解明を目指す。
(読売新聞) - 11月29日23時22分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041129-00000112-yom-soci
0 Comments:
コメントを投稿
<< Home